精子の運動率が男性不妊に影響している理由

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不妊原因の4割は男性不妊によるものと言われています。その理由は様々です。主な原因は乏精子症、無精子症、精子無力症、勃起障害(ED)の4つです。

乏精子症は精子の数が少ない場合、無精子症は精子が見当たらない場合、精子無力症は前に進まない状態の精子が多い場合を言います。精子の運動率が低い場合は精子無力症と診断されます。

では、精子の運動率が低いってどういうことなのでしょうか?


精子の運動率が男性不妊に影響している理由


精子の運動率って?
精子の運動率は、射精1時間以内において50%が前進運動している、または25%以上が活発な直進運動をしているのが、WHOの基準とされています。この運動率が少ない場合は、精子が卵まで到達せずに妊娠まで至ることができなくなります。

精子の数を増やすことは難しいが運動率をあげることは可能という話をよく聞きます。直接精子にカフェインなどを振りかけることで一時的に運動力をあげることはできますが、治療として運動率をあげる薬はありません。

ただ、精子の所見は日々変化していますので、前回運動率が悪かったとしても、次回も同じように悪いとも言い切れません。

射精していない禁欲期間が長くなると、運動率は下がると言われていますので、運動率の低い人ほど2日に1回など多めに射精することがいいようです。体は頻繁に使うことで鍛えられていくのは精子にも言える事です。

禁欲期間が長いほど精液の量は多くなりますが、その中の精子の数はそれほど違いがないものです。しかし、運動率は下がっていく結果がでていますので、精液の量を気にせずにそれほど禁欲しない方がいいのかもしれません。


なぜ男性不妊になるのか?
男性不妊には6つほど大きく分けて原因があります。

・ 睾丸炎によるもの
おたふく風邪などにかかり、睾丸炎にかかる場合があります。睾丸炎になると、不妊になるというわけではありませんが、稀に精子を作り出す機能が弱くなるために不妊になることがあります。

・ 精索静脈瘤
睾丸の後ろ側から伸びる精索にこぶができることにより、血流障害が起き睾丸の温度を上昇させます。そのことにより精子が低酸素状態になり、機能低下につながっているといえます。

ただ、静脈瘤は外科的手術でとれるので、不妊の場合や痛みがある場合は手術が行われています。男性不妊で行われる治療では、この精索静脈瘤の手術くらいといえます。

・ 先天的なもの
先天的な性染色体以上がある場合です。原因などはわかっていません。

・ 停留睾丸によるもの
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通常、胎児の時はお腹の中に睾丸がありますが、降りてくるものです。これが降りてこずに途中でとまっていることがあります。その場合は、体温で睾丸が温められ、機能が鈍くなってしまいます。睾丸がお腹の中に収まっていないのは、体温よりも低い温度で正常な機能を発揮するためです。

・ 過剰な飲酒
たまに過剰な飲酒をしたからといって、不妊になるわけではありません。常に酔っている状態だとやはり機能が低下し、精子が形成されにくくなり、精子の運動率も低下してしまいます。

・ 精管や尿道の通路障害
パイプカットと同じ状態が、なんらかの炎症などによって起こっている場合があります。精子の通り道が塞がれているため、膀胱の方に流れてしまい、尿とともに排出されてしまいます。手術によって、通り道を再建することが可能です。


男性不妊の治療方法について
男性不妊の原因は様々ですが、ほとんど治療法として有効なものはありません。精索静脈瘤の場合と通路障害の場合のみ、外科的手術により機能を回復することができますが、その他の要因での不妊は残念ながら有効な治療がないのが現状です。

ですが、体外受精は近年とてもよく発達してきましたから、不妊とわかれば、体外受精を行うことによって問題は解消されます。体外受精の場合は、精子の量も運動率も関係なく、元気な精子が1匹でもいれば、体外受精が可能です。

精液から精子を採取できない場合でも、睾丸から直接とることもできますので、男性不妊とわかったら、夫婦で話し合い体外受精にステップアップすることが一番いい方法です。

体外受精の場合、女性側は2ヶ月かけて卵をとるために薬を服用したり注射をしたり採卵手術をおこなわなければなりませんので、かなりの負担がありますが、珍しい不妊治療ではありません。

10組に1組は不妊で悩んでいる現在、信頼できる病院が見つかったなら体外受精をオススメします。

精子の運動率は、不妊で悩んでいる夫婦にとっては、気になることだと思います。精子の量と違って、運動率はよく変化するものです。今回の検査で少し数字が悪いからといって、すぐに不妊ですということはいいきれません。

そのかわり、有効な治療もありません。運動率に関してだけいえば、頻繁な射精で鍛えていくことができるかもしれませんが、根本的な治療とは言えません。

ほとんどの場合は、体外受精で不妊治療することになりますので、夫婦で支えあって妊活してください。


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本日のまとめ

精子の運動率が男性不妊に影響している理由
① 精子の運動率って?
② なぜ男性不妊になるのか?
③ 男性不妊の治療法について