これでわかる!子宮内膜症の漢方治療とは

shikyu
子宮内膜症という病気を聞いたことがありますか。女性なら誰でもなる可能性がある病気で、ときに不妊症の原因となることもあります。今回は子宮内膜症についての正しい知識を身に付けるとともに、漢方薬を使っての治療方法にも触れてみたいと思います。

これでわかる!子宮内膜症の漢方治療とは 


子宮の役割とは
そもそも子宮はどのような役割を果たしているのでしょう。子宮は月経と深い関わりを持っています。

<月経のしくみ>

①月経が起きるころになると、頭の中にある脳下垂体という部分から卵を成熟させるためのホルモンが分泌されます。
②発育途上の卵から受精卵を守るため、エストロゲンというホルモンを通して、子宮の内膜を厚くさせるよう指示がでます。

③排卵が起こるとエストロゲンに加えて、黄体ホルモンという物質が分泌され、さらに子宮の内膜は厚くなっていきます。
④妊娠にいたらなければ黄体(卵巣に残った細胞)は干からび、それまで子宮の内膜を厚くさせるよう指示を出していたエストロゲンや黄体ホルモンの分泌は急激に低下します。

この急激なホルモンの低下が出血を伴い子宮の内膜の脱落を引き起こします(=月経)卵が受精した場合、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮の内面を覆っている子宮内膜の中へもぐりこみます(=着床)。着床後、胎児は子宮の中で母親から酸素や栄養をもらい成長していきます。子宮は出産までの長い期間、胎児を守り育てる大切な役割を果たすのです。


子宮内膜とは
上記で説明したように、子宮内膜とは子宮の内側を覆っている粘膜であり、受精卵が着床する場所でもあります。子宮内膜はホルモンの指示を受け、厚くなったり、必要でなくなれば出血を伴い脱落したりします。


子宮内膜症とは
子宮内膜症とは子宮内膜に非常によく似た組織が、子宮の中以外の場所に存在し、機能している状態です。場所こそ違えど本来の子宮内膜と同様にホルモン分泌に反応し、厚くなったり、出血を伴い脱落したりします。

子宮内膜ができやすい場所には卵巣、膀胱、仙骨子宮靭帯など骨盤内の臓器が多いです。子宮内膜は悪性の病気ではないため、症状がなければ治療する必要はありません。しかし、内膜ができた場所によっては日常生活に支障をきたすことがあります。たとえば腹の中に内膜ができた場合、その内膜はホルモンによって出血を伴い脱落し、吐き気や嘔吐、下痢など消化器症状を起こす可能性があります。

またホルモンによる指示は月経のサイクルによって起こるため、強い月経痛と間違えることもあります。しかしこの月経痛は仕事や学業が普通に送れなくなるほどひどくなることがあります。他にも内膜ができる場所により、腰痛、頻尿、排便通、不妊を引き起こす原因にもなります。


子宮内膜症が原因となる不妊
子宮内膜症はときに不妊の原因となることがあります。その原因は様々ありますが、1つの例を紹介します。

子宮内膜症の病巣からは月経のたびに出血が起きます。そして出血した部位が治っていく過程において癒着が起きることがあります。癒着とは炎症により、本来離れているべき組織同士がくっついてしまうことです。

癒着は卵巣や卵管など妊娠するうえで非常に重要な臓器を巻き込むことがあり、それによって卵が子宮にとりこまれない事態が起これば妊娠は起こらず不妊の原因となるのです。


子宮内膜症の検査・治療
子宮内膜症を疑ったときは婦人科を受診します。婦人科で行われる検査には内診、超音波検査、CT、MRI検査、腹腔鏡検査などがあります。治療は患者さんの年齢、症状、子どもの有無、社会的背景などを考慮し、薬物療法や手術療法が用いられます。


 漢方を使った子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療の選択肢として漢方治療があります。

<漢方治療のメリット>
・西洋医学による治療の副作用を軽減す

・薬物療法の効果を高め、再発率を低下させる
・治療後の妊娠率を高める

漢方は体質自体を改善することで痛みなどの症状を抑えていきます。そのため治療だけでなく再発の防止にもつながるのです。しかし痛みが強い場合には西洋医学の薬物や手術療法が有効な場合も多く、漢方治療と西洋医学の治療をうまく併用していくことが子宮内膜症を治療していくうえで重要になります。

 <漢方治療の考え方の基本>
漢方治療では「気・血・水」という3つの要素を用います。体の中でこれら3つの要素のバランスが崩れると、体調に不調をきたすといわれています。子宮内膜症では3つの要素のうち、気と血が深く関わっていると考えられています。気の流れが滞っていること、血が滞り流れにくくなっていることで子宮内膜症になりやすいとされているのです。そのためこれらを改善するための漢方薬が治療に用いられます。

①血の流れを改善する生薬

鎮痛効果・・芍薬、延胡索など
止血  ・・田七人参、阿膠、艾葉など

血を補う・・当帰など

②血を動かしている気のめぐりをよくする生薬

気を補う・・人参、黄耆、大棗、白朮、甘草など
気の流れを改善する・・柴胡、枳実、陳皮、半夏、厚朴、香附子など

体を温める・・桂皮、乾姜、細辛、呉茱萸、附子など

子宮内膜症は強い痛みや消化器症状を伴い、日常生活に支障をきたす可能性のあるつらい病気です。症状を少しでも和らげるために漢方薬を用いることも治療の選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょう。



まとめ

その1:子宮の役割とは
その2:子宮内膜とは
その3:子宮内膜症とは
その4:子宮内膜症が原因となる不妊
その5:子宮内膜症の検査・治療
その6:漢方を使った子宮内膜症の治療

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