意外に知らない?体外受精の内容とスケジュール

taigaijyusei
不妊治療のひとつである、体外受精。名前は聞いたことがあっても、実際にはどんなことをするのかご存知ですか?体外受精のスケジュールってどうなってるの?そして流れについてご紹介します。


 

意外に知らない?体外受精の内容とスケジュール


【体外受精って何?人工受精との違いは?】

体外受精とは、排卵誘発剤で成熟させた複数の卵子を採取し、精子を体外(シャーレ)で受精、細胞分裂させてある程度成長させ、再び子宮内に戻すことをいいます。

よく人工授精との違いがわからない方がいますが、人工授精とは管のような柔らかい注射器で採取した精子を子宮に注入することをいいます。自然妊娠と仕組みは一緒ですね。

不妊治療の際に計算する運動精子濃度(精子濃度×運動率)が、1000/ml以上ある場合は人工授精できますが、それ以下、特に500/ml以下だと体外受精を選択することになります。


【体外受精と多胎出産】

また、体外受精=多胎出産のイメージがある方も多いと思います。確かに、以前は体外受精によって双子や三つ子が生まれることが多々ありました。これは妊娠の確率を上げるために、複数の受精卵を子宮に戻していたためです。

運良くすべての受精卵が無事に育ったということですね。しかし、多胎出産の場合妊娠高血圧症候群や流産、発育遅滞のリスクが単胎出産より多く、それは高齢故に体外受精を行った方にとってはより深刻なリスクに発展する可能性が高いのです。そのため、現在日本では受精卵を子宮に戻す際、原則1つだけという決まりがあります。

さて、次からはいよいよ体外受精のスケジュールについてお話します。


【体外受精のスケジュール】

体外受精に必要な行程には個人差がありますし、病院によっても全然違います。ですから今回はおおよその流れについてご紹介したいと思います。ちなみに、来院してすぐ治療を開始できるものではありませんので、まずはじっくり病院選びをして、その後入念な打ち合わせや事前の診察を重ねた上で、治療を開始します。

●1日目

月経2、3日目頃来院して排卵誘発剤を投与し、卵胞を大きく育てます。排卵誘発剤の種類はいくつかあって、どのようなものを使用するかは患者さんの年齢や採血結果、体調などで決まります。使用しない人もいますがその場合育つ卵胞は一つです(誘発剤を使うと複数できます)

その後数回の診察で様子を見ながら、卵胞が18mm前後までに育つのを待ちます。この間大体8~14日ほどです。

●8~14日後

卵子の成熟を助ける薬を投与して採卵日を決定します。基本的には次の日か2日後です。

●採卵日

排卵直前まで育った卵胞を取り出します。方法としては細くて長い針のようなもので卵巣を刺し、卵細胞を卵胞液ごと吸い上げます(穿刺吸引(せんしきゅういん)といいます)。痛みはそれほど感じないと言いますが卵胞の数によっては鎮痛剤や静脈麻酔を使用します。

さらに、同じ日に男性側も採精し、受精させます。受精のさせ方は2種類あります。

・培養液を入れたシャーレの中に、卵子1個に対して精子約10万個を入れて自然に受精させる方法

・顕微授精という方法で、針のように細い管で精子を1個吸引し、卵子に直接注入する方法

顕微授精は精子の状態が良くなかったり、また受精に何らかの障害がある場合に適用されます。その後、専用の機械の中に入れて受精を待ちます。受精したかどうかは次の日にはわかります。

●採卵から2~5日後、受精卵を子宮に戻す

培養した受精卵を子宮内に戻します。

この際、すぐに子宮に戻さず一旦受精卵を凍結しておいて、次の生理周期の排卵後に受精卵を融解、戻す方法もあります。これは自然な排卵を待つことで子宮内の環境やホルモンバランスの面で受精卵が着床しやすい環境を作るためです。また、採卵後卵巣が腫れてしまう事があり培養直後にはまだ回復してない場合もあるので、そのような時にはやはり受精卵を凍結して回復を待ち、成功率を上げます。


【不妊治療は夫婦でよく話し合って】

このように入念に計画し慎重に行った体外受精でも、着床から妊娠、出産まで無事にたどり着けるのは多く見ても30%ほどです。年齢が上がるともっとこの確率は下がり、40歳で10%と言われています。

受精卵を育ててから子宮に戻すのだから、体外受精をすれば必ず妊娠するという認識の人もたまにいるのですが、決して妊娠を約束できるものではないのです。むしろ、かかるお金と時間を考えると割に合わないと感じる結果の方が多いかもしれません。

乗り越えるには夫婦の協力が欠かせませんし、ほとんどの病院が治療開始前に必ず夫婦で来院するように指導しています。まずは二人の希望をまとめて、しっかり計画を立てることをおすすめします。


体外受精の内容をご紹介しましたが、参考になりましたか?最後に今回の話をまとめておきます。

●体外受精って何?人工受精との違いは?

●体外受精と多胎出産

●体外受精のスケジュール

●不妊治療は夫婦でよく話し合って

不安なことはなんでも医師に相談して、納得の上で治療に臨みましょう。