体外受精ってどんなことするの?

taigaijyusei

ここ数年、「妊活」という言葉が一般的になりましたね。昔は不妊治療というと、もっと辛いイメージであり、なかなか口にするのもはばかってしまうものでしたが、最近はもっと気軽に取り組めるものになりましたが、治療を受ける人の気持ち、家族を思う気持ちは今も昔も変わりませんね。

現代では、体外受精で生まれる子どもは40人に1人、と言われています。今後もっと増えるだろうと言われています。そのためにも、ちゃんとした知識を事前に持っておきたいものです。


 

 体外受精ってどんなことするの?


 体外受精ってどういうものでしょうか

体外受精とは、男女の身体からそれぞれ精子と卵子を体外に取り出し、シャーレの中などで受精させることです。受精でき、受精卵となったものを女性の子宮に戻します。時期は、受精卵になってすぐのこともあれば、しばらく冷凍保存しておいて、女性の身体が着床しやすい時期(排卵期)になったら戻す方法もあります。その後は自然の力に任せ、通常の妊娠と同じような経過を過ごします。

成功率は年齢にもよりますが約20~30%です。

卵子を取り出す際は排卵誘発剤を利用し、一度に三つほどの卵子を取り出します。体外受精を行い、いくつかの受精卵が芽生えた場合は、一つの受精卵を子宮へ戻し、残りの受精卵を冷凍保存しておくことができます。そうすることで、最初の受精卵で着床しなかった場合、冷凍保存しておいた受精卵を使用することが可能となるのですね。


どのような人が体外受精を受けるのでしょう
・タイミング法、人工授精を行ってみて、それでも妊娠しない場合
・高年齢出産に当てはまる場合
・子宮や卵管、精子に異常がある場合
・抗精子抗体を持つ場合などが対象となります。


タイミング法とは
卵子が排卵されたタイミングに合わせて性交渉を持つ方法です。自分で基礎体温を測って排卵を予測する方法から、病院で卵胞の様子を超音波検査したり、着床が成功して妊娠ホルモンが出たかどうかをチェックする方法までありますが、費用はそれほどかかりません。

それでなかなか妊娠しない場合、人工授精として、男性の精液を人工的に、排卵期の女性の子宮内に注入します。痛みはあまり感じません。排卵の確認、精子の濃縮、注入などで数万円程度かかります。成功率は10%弱で、タイミング法より少し確率が上がります。

この二つの方法は、不妊の理由が特定できない場合、よく行われます。その上で妊娠できなかった場合、体外受精を選択する形となります。高年齢出産の場合、自然妊娠よりは体外受精の方が成功率が上がります。が、それでも年齢が上がれば上がるほど妊娠しにくくなる、ということは頭の片隅に置いておく必要があります。

子宮内膜症などの子宮異常や、卵管が細くて卵子が子宮に移動しにくい、または精子の運動量が低かったり奇形因子があるなど、精子と卵子が物理的にめぐり合いにくい場合も体外受精が有効です。奇形の多い精子の場合は顕微授精となることが多いです。抗精子抗体とは、免疫異常の一種で、身体が精子を異物と認識して受け入れられない状態です。男性、女性、双方にその抗体を持つ可能性があります。


費用等はどのぐらいかかるのでしょう
体外受精は保険が適用されないため、高額医療となります。排卵誘発、採卵・受精、培養、溶解(冷凍保存の場合)、移植にわかれ、40万~80万ほどといわれています。顕微授精は、一般の体外受精より費用が掛かります。大学病院や総合病院が安く、個人クリニックの方が高い傾向があります。それ以外に、成功報酬が求められるところもあります。

受精卵が複数できて冷凍保存を行ったあと、最初の挑戦で着床できずに二つ目の受精卵を使用する場合、溶解・移植のみの値段となるので、費用を大幅に抑えることが可能です。

少子化対策として、自治体からの助成金制度もあります。不妊治療助成金や不妊治療支援事業という名目で行われています。医療保険各法の被保険者(健康保険をおさめている人)、または被扶養者(配偶者)が受け取ることができます。

特定不妊治療(体外受精・顕微授精)以外の方法では妊娠が難しい、という医師の診断が必要になります。1回当たりの上限は15万円までで、39歳以下は6回まで、40歳以上は5回まで支給を受けることができます。なお、28年4月1日以降からは、40歳~42歳は3回まで、43歳以降は受け取ることができなくなります。

また、体外受精以外の不妊治療でも助成金が適応される自治体もあります。この場合は金額が低く設定されています。


体外受精のデメリットはありますか?
赤ちゃんに影響がある場合と、お母さんの身体に症状が出る場合とがあります。赤ちゃんへの影響は、双子や三つ子といった多胎になる確率が上がります。病気という形で現れるデメリットではないのですが、多胎の場合、妊娠するお母さんの身体に通常より大きな負担があったり、お腹の中でしっかり育ち切る前に出産を迎えてしまうことがあります。

お母さんの身体には、排卵誘発剤や採卵、移植のたびに痛い思いをすることがあります。が、これは病院によっていろんな方法があるので、一概にいう事はできません。気にしていただきたいのは、排卵誘発剤の使用で、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)が起こる可能性がある事です。

自覚症状としてお腹が苦しくなったり、吐き気や下痢があったり、また、病院で調べてみたら卵巣が腫れていた、お腹に水がたまっていた、血圧が下がっていた、血栓ができたなどの症状が起こります。決して楽な症状ではないので、男性は特に、奥さんのためにそれがいいことなのかをしっかりと考えた上で治療を受ける必要がありますね。

 


まとめ

治療方法、適応対象、費用、デメリットについてみてきました。いかがでしたでしょうか。今でも進歩し続けている医療技術なので、今後もっと成功率が上がったり、費用が変動する可能性もあります。確実に言えることは、今後どんどん拓かれた治療となっていくだろう、ということです。

不妊治療を受けた場合、それを引け目に思うことはありません。自然妊娠と変わらず、自分たちのところに来てくれた子どもを愛して暖かい家庭を築けるのなら、それがなによりも幸せなのではないでしょうか。